ユーロ/円相場は、103円台前半まで急伸する展開になっている。欧州債市場が再び不安定化しているものの、今週19日の日銀金融政策決定会合で追加金融緩和策が導入されるとの見方から、ユーロ買い・円売りが先行している。5月9日以来のユーロ高・円安水準を更新している。
欧州債市場では、スペイン10年物国債利回りが一時6%を超えるなど、再び混乱が見受けられる。週末には欧州連合(EU)財務相会合が開催されたが、銀行同盟実現に向けてのスケジュールで合意できなかったことが嫌気されている。また、スペインが欧州中央銀行(ECB)に対する支援要請を手控えるとの観測もあり、先行き不透明感から欧州関連資産に対する売り圧力が強くなっている。スペインは20日に2015年10月と22年1月に満期の債券発行を予定しており、再びスペイン債市場の動向が注目を集め易くなっている。欧州債市場に対する売り圧力が一段と強まれば、徐々にユーロの調整リスクが高まろう。
もっとも、足元ではユーロよりも円サイドの動向が注目を集めている。13日に米連邦公開市場委員会が量的緩和第3弾(QE3)を決定したことで対ドルで円高が進行する中、日銀が追加緩和策の導入を迫られるとの見方が円売り圧力に直結している。QE3のような大胆な緩和策が発表される可能性は低いため、一時的な円売り圧力に留まるとみているが、イベントリスクとして注意は必要。
今後1週間の予想レンジは、99.00~101.50円。